Peacebuilding Study Group English Top
image

研究の方法

 そもそも平和構築というのは定義自体が難しく、それを扱うディシプリン(Discipline:学科、学問分野)も様々ありえます。「平和構築研究会」では、適切な処方箋を与えるためには適切な診断が必要であるという発想のもと、まずは紛争やその原因を分析する視点を整えることから始め、開発援助が平和構築にいかに関わってゆくべきなのかについて複合的な視点からアプローチしていきます。

 複合的な視点ということで言えば、研究会の構成メンバーの主要な専門分野は、国際協力法制(佐藤安信教授)、国際政治(中西久枝教授、定形衛教授)、開発経済学(大坪滋教授)、文化人類学(櫻井龍彦教授)、国際協力論(大平剛助教授)、平和研究(児玉克哉助教授)、国際関係論(二村久則教授)、国際(人道)法(新垣修助教授)などと多岐にわたり、これだけを見ても実に多様な分析が期待できます。

 この研究会は実務への働きかけを最終目標に掲げているが、閉じられた社会の中でこの目標を達成することは困難です。そこで研究協力者のネットワークを整備してゆくことが求められますが、現時点において既にJICAや国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、赤十字国際委員会、ハーバード大学その他の学術機関、NGO、実務者等とのコンタクトを取っています。今後、これらを更に拡大していきます。

 また、研究会のメンバーはフィールドワークや実務家へのインタビューにも積極的に出かけています。平成15年度の夏だけでも、中西教授はイラン等の中東地域へ、新垣助教授はジュネーブの国連機関へ、佐藤教授はベトナムへ、児玉助教授はハンガリーへと赴き、それぞれ貪欲に情報収集を行っています。そのようにして各メンバーが集めた情報は、不定期に開催される研究連絡会において報告され、それと同時に研究会の運営方針なども話し合われています。この内容については、内外の意見を少しでも多く取り入れることを目的として、本ホームページ上で議事録を通じて公開しています。

 そのほか公開研究会という形で、多くの参加者を招いて研究会のメンバーが報告し議論するアウトリーチ活動も行っています。これまでに中西教授、新垣助教授、櫻井教授のそれぞれが、各テーマについての公開研究会を開催しています。
  さらに、平和構築研究という分野がいまだ未熟な発展段階にあることから、データベースの整備も始めています。平和構築に関連するシンポジウム・国際会議、文献、他の研究組織、研究者などの情報を収集し、整理しており、これらの内容もいずれ本ホームページ上でWEBアプリケーションとして公開する予定です。


.
Copyright©2003-2005 Peacebuilding Study Group