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研究会メンバー:大平、櫻井、佐藤、児玉、山本
アシスタント:杉本、早川
佐藤:
海外出張報告から始める。まず児玉さんから。
児玉:
今年のハンガリー出張はこの研究会の予算で行った訳ではないが、内容的には関係している。
まずハンガリーの状態について。社会主義時代には、平和関係のイベントには国を挙げて取り組んでいた。しかし現在、EUに加盟したばかりで予算がなく、IPRAに対する支援も直前に打ち切られた。例えばNATOの中での役割といった、実利的な研究ばかりが重視されているという印象を受けた。東欧が完全に無くなり、資本主義の中に組み込まれたということが実感された。
IPRAは40周年を迎えた。これは重要なことである。平和学は実学であり、正当性を持たせるには歴史あるいは何らかのバックボーンが必要になる。これがIPRAにもある程度出来てきた。
今回のIPRAの会議には300名近くが参加し、ハンガリー以外からの出席者が多かった。被害者の立場が強調された会議だと感じた。私達が学問形態を作っていく際に、被害者の立場に重点を置いた場合とそうではない場合とでは、大きな差が生まれてくるだろう。イラクやパレスチナからの出席者もいた。被害者や弱者の問題と平和研究の問題とを、どう絡めて考えていくのかが原点になるだろう。
連携というのは、正に私達が取り組もうとしている課題である。GPPACなどで、NGOとの連携を進めようとしている。平和学・平和研究とNGOと国連とが、どのように連携できるのかが大きな問題である。
IPRAにおいては、研究と実践のどちらを重視するのかが、ずっと議論になっている。あくまで研究にこだわるべきだという意見と、もっと実践をすべきだという意見がある。私が事務局長の時には、あくまでもアカデミズムのスタイルを取りながら、学会としての直接的な行動は取らないという立場であった。研究者が紛争の調停役を引き受けることも重要だが、それができる人材やノウハウがあるのかがより大きな問題である。研究者のトレーニングも必要になる。
佐藤:
ヤン・オーベールグさんはIPRAに関わっているのか?
児玉:
今はあまり関わっていないが、元々はコアメンバーである。
佐藤:
彼やガルトゥングさんは実践的な立場だと思うが、どうか?
児玉:
北欧の研究者は結構好きである。パレスチナやスリランカにも入っている。日本の研究者が現場に入っているのかどうかは分からない。北欧の研究者は現場に入って、信頼を得て、「こういう条件で調停できないか?」という提案を行う。対象が小さな国であるほど、こうした活動の意味は大きくなる。イラクほど大きくなると難しい。北欧の研究者は自らの研究成果を実践的に使うのを好む傾向があり、私も1つの方法論だとは思う。
山本:
研究者という立場で、直接調停に関わっているとは思えない。通常、国際機関や国のポジションを持って交渉に関わる。研究者という立場だけでは、交渉の相手として認めてくれない。よくあるケースはアドバイザーとして雇われること。この前段階として、例えばカナダのように、その国家が研究者を巻き込むことに前向きである必要がある。日本はこうした姿勢が弱い。国際機関のアドバイザーになるには、研究者個人の力だけでは難しく、政府が協力して売り込む必要がある。
児玉:
それは政府にとっても意味があるだろう。それと共に、研究者の直接的な信頼関係を築き上げることも大切である。個人としても、敬意を持って迎えられるようになることが必要である。
山本:
個人としてのネットワークや成果があるからこそ、政府が推してくれる。
佐藤:
日本では、研究者の利用方法が全く異なる。初めのアイデアは国が予め作成し、研究者を権威付けのためにだけ利用するという傾向がある。
大平:
スリランカ研究では龍谷大学の中村先生が有名だが、関わっているのか?
佐藤:
日本の国内委員会や報告書の作成には関わっているだろう。しかし、表にはあまり出ていない。
IPRAでは、学会としてどうしようかという議論があるのか?
児玉:
私が何らかのポジションに就いて、学会として取り組もうかとも考えたが、色々と難しそう。個人として取り組む方が楽かなと考えている。
佐藤:
組織だと難しいのだろう。中立性を保つため、あるいは学問・研究のアプローチとして良くないという意見の人も多いだろう。
児玉:
調停には第三者的な立場が必要になる。日本はアジアの離れた地域や中東問題には、第三者的に関われ、やれることは多いはず。
山本:
国家のポジションは良かったが、それは崩れつつあるのが現状である。少なくとも中東では、アメリカの味方と認識され、苦しくなってきた。
佐藤:
GPPACの進展具体は?
児玉:
2005年の国連での会議は、9月に開催されることになりそう。
佐藤:
NGOが主役になった会議を開催する。北東アジアの準備は、ピースボートが中心になって進めている。 IPRAもバックアップするのか?
児玉:
はい。できる範囲で。
佐藤:
IPRAがプレゼンテーションを行ったりはするのか?
児玉:
しようと思えばできる。しかし、どこかに予算を出してもらえないと難しい。研究機関もNGOの1つとして参加できる。
佐藤:
この研究会からも、代表者を出しても良い。そのためには、私達も早めに準備を進めないといけない。9月中に東京で準備会がある。23日は児玉さんが参加する。26日にもある。興味があれば、参加してはどうか?
山本:
月末に東京へ行く予定がある。それと調整すれば、行けるかもしれない。
杉本:
午後から行われる。場所は高田馬場。
佐藤:
中西さんのイラン出張報告を資料に入れてある。イランにおけるアフガン難民は、生活のために仕事を求めて行き来しているような状況らしい。難民という概念では捉えにくく、労働移民的である。だからUNHCRが一生懸命難民を帰還させても、またイランに戻ってきてしまうようである。
山本:
イランの場合には、それ以上に問題がある。イラン政府は国内でUNHCRに自由に行動させない。UNHCRはイランに何千万単位で予算を渡してしまう。国境まではUNHCRは一切関われない。
一番の問題は、20年以上放ってあったので、アフガニスタンに到着しても、直ぐに生活できる状態ではないこと。人道援助の問題ではなく、開発援助の問題になっている。色々な支援を得て頑張っても、せいぜい3ヶ月しか持たず、難民に戻ってしまう。このリサイクル問題は過去10年間続いている。
アフガン人は非常に安い賃金で働くので、季節労働者のような形で、イラン経済にも構造的に組み込まれてしまっている。難民がイラン国内に戻るのを助ける業者すら存在する。アフガン人がイランで結婚するケースもあり、その場合には問題は更に複雑になる。アフガン人と結婚したイラン人女性に対する差別意識もある。
イランはある段階で5カ年計画を立てて、難民を全て追い出そうとした。その段階では、政府は追い出したいが、工場で雇う側の人間などはいてほしいと考えていた。
佐藤:
構造化してしまうと、解決が難しい。あとはヘラットの問題が指摘されている。
山本:
ヘラットでは、イランに近いペルシャ語が使われている。ヘラットの支配者はイラン政府から支援を得ており、カルザイ政権とうまくいってない。イランは明らかにアメリカ主導のアフガン復興に反対している。元の木阿弥に戻りそうである。
佐藤:
ヘラットではイランのNGOの活動が活発と書かれているが、純粋なNGOなのか?
山本:
どこのNGOや国際機関でも、ヘラットで活動するには、材料をイランから持ってくるしかない。イランとうまく交渉しようと思うと、イラン人を使うのが有効であり、結果としてイランのNGOがはびこってしまう。彼らの活動は完全にビジネスである。
児玉:
お金はどこからもらえるのか?
山本:
国連やUSAIDなど。
佐藤:
事実上、人道支援が紛争を助長しているような印象を受ける。
山本:
強引な中央政府を目指すのは無理だということが、現実的に明らかになってきている。その方向性では、元々経済基盤や地位があるヘラットの勢力は排除しないといけない。それは強引なやり方なのでヘラットの住民は反発を抱いており、イランが支持してくれるなら歓迎する。まだまだステートビルディングの途中である。
佐藤:
実際にはどうするのが良いのだろうか?地方の軍閥が事実上それなりのガバナンスを持っているとすれば、連邦的な緩やかな統一のような形態が良いのかもしれない。
山本:
要するに1人1人の帰属意識が、今の段階では国家をイメージできていない。まだ県レベルの帰属意識しかない。とりあえず、その県レベルで安定化させるのが初めの一歩で、それから国家という概念が生まれると良かった。タリバンは途中まで、かなりうまくいっていた。それぞれの地方には好きにやらせて、その代わり隣には手を出すなという姿勢だった。国家全体の締め付けはもっと後の仕事だという姿勢で、うまくいっていた。
典型的なのが法律の問題。国全体に適用される法律がきちんと整備されておらず、慣習法が支配している。しかも地方によって、慣習法が全く異なっている。ところが、国連などが介入して復興支援として関わってくると、国家全体に適用する、ものすごくartificialな法律を押し付けようとする。それが紛争の大きな原因になる。
佐藤:
ある学者の論文によると、スリランカでもイギリス植民地になる前は、自治が進んで、緩やかな連邦が成立していた。そこにイギリスが入って、少数派のタミル人を使って統治を行い、現在の紛争の原因になっている。
山本:
ルワンダも典型的である。ツチとフツをきっちり分けて、統治者と被統治者という役割を与えた。それがブレークしてしまった。
佐藤:
6月にスリランカへ行き、18の機関と2つの難民キャンプを訪れた。停戦が2年前になされたが、現在は頓挫している。議題を何にするかという段階でもめている。LTTE(タミルタイガー)側は独立の要求を取り下げて、自治組織を正当化してくれと主張している。それに対して、政府側はまず紛争を終わらせるのが先決で、それからしか、そうした話は出来ないと主張している。
その背景には、双方共に一枚岩ではないことが挙げられる。政府側は連立政府で、連立相手には過激な勢力もいる。一方で、私が帰国した後に、停戦成立後初めて自爆テロでの死亡者が出た。これはLTTE側の内部分裂である。
昨年、日本政府が東京会議を開いた。ODAを飴にして、平和交渉の進展状況に応じて援助を与えるという方法を用い、両者をリンクさせようとした。それ自体は良いことだが、LTTE側は反発して会議に参加しなかった。制裁的な意味合いを含ませるとうまくいかないという指摘がなされた。むしろ経済発展を先行させて、武装闘争がバカバカしいことだと気付かせるような方向に持っていかないといけないだろう。食べられるようになって初めて武装解除するのであって、DDRという言葉はまやかしで、実際にはRDDだという指摘がある。
別の問題として、特にタミル側の有能な人材が避難しており、人材が不足していることが挙げられる。また、帰っても仕事も何もないから、再度難民化してしまう。人材育成や雇用問題に対処しないといけない。しかし、LTTEの支配領域で復興支援をするためには、LTTE側にTAXを支払わないといけない。そのお金で武器を買ってしまう。このような大きなジレンマがある。
私としては、NGOや小規模のベースで医療や教育に支援することは必要だが、大きなプロジェクトをやるのは時期尚早だと考えている。
山本:
スリランカのような小さな国では、紛争が与える経済への影響は非常に大きい。スリランカの軍事予算のほとんどは、タミルタイガーを念頭に置いて使われている。皮肉な話だが、過去60年のスリランカの軍事関連の予算をタミル支援のために使えば、独立という点さえ除けば、タミルタイガー側の要求をある程度満たせたかもしれない。何のために軍事予算を使ってきたのか分からないという状況にある。
スリランカ政府が賢いと感じるのは、アメリカはタミルタイガーをテロリストと呼び始めたが、スリランカ政府はそれを拒否したこと。テロリストにしてしまうと交渉ができない。スリランカ政府は交渉し続けたい。しかしアメリカがテロリストと呼んでくれるのは、タミルタイガーへの圧力にもなるので都合が良い。
佐藤:
だからこそ、停戦交渉に戻ってきたという側面もある。
佐藤:
前回の研究会でも言ったが、共同研究としてスリランカの事例研究を提案したい。個別研究だけではバラバラなので、具体的な対象を定めて、それぞれの研究成果を適用する必要がある。スリランカは適していると考えられる。
スリランカの経済開発研究の権威である龍谷大学の中村先生を招いて、次々回あたりに話をしてほしいと考えている。アカデミックで何かをすることで、実際の平和交渉のプロセスに好影響を与えていきたい。あくまでも研究がメインで、直接的に関わる訳ではないが、何かを残したい。研究会として、実務との連携という成果も残せる。1月は21日に予定していて、そういうことを考えている。
各先生には、改めてやってほしい課題を具体的にお願いする。例えば櫻井さんには、ある種の民族紛争という観点から、タミルやシンハリなどを研究してもらうことが考えられる。タミルも1つではなく、プランテーションのためにインドから連れて来られたインド・タミルがいる。また、シンハリも高地シンハリと低地シンハリに分けられる。小さな島の中にこれだけの民族的な違いがあるのは興味深い。
山本:
難民の解決も興味深い。人材の流出という側面もある。
佐藤:
インド−ランカ条約があって、インドはタミルタイガーを支援しないと表明した。元々インドはタミルを支援していた。しかし、インド政府とスリランカ政府の間で合意がなされ、インドは干渉しない代わりに、紛争を終わらせるために軍隊を送ることになった。すると、タミルが反発してインド軍を攻撃し始めた。その際、インドに逃げていたタミルが帰国したら、また紛争に巻き込まれた。
児玉:
イギリスに、テロの研究者として世界的に有名になった知り合いがいる。彼はスリランカ出身で、元々スリランカの研究者。テロという側面でも興味深い。
佐藤:
自爆テロはタミルタイガーが広めたとも言われている。
佐藤:
DICOS専攻共通「平和構築」の授業計画というのは、国際協力専攻の10月からの講義の中で、平和構築の講義を試験的に始めることになった。私と歴史の高橋先生で担当している。
第1フェーズはブレーンストーミングのようなもの。第2フェーズは外部から人を呼んで、問題を把握する。第3フェーズは学生がグループを作って、研究とプレゼンテーションをしようと考えている。プレゼンテーションを行う際に、私と高橋先生だけでは対応するのが難しい。研究課題によっては、他の先生にアドバイスを求めたいので、協力してほしい。平和構築を授業にするのは、色々な要素が入るので難しい。何かにフォーカスするべきだが、そうすると部分的になってしまう。
佐藤:
9月30日に東京でシンポジウムが開かれる。以前より文部科学省から、国内の平和協力人材育成の大学院のネットワークを作りたいという話があった。そのためにFASIDに事務局を置いて、シンポジウムを開催することになった。この研究会からは中西さんが参加して報告する。
海外の研究と教育の連携については、後ほど説明する。ブックレットの第1号は、私のスリランカ出張報告書をベースに肉付けしたもの。原稿を地域開発企画の肥田さんに送ってあり、今月か来月には出来上がる。HPにはブックレットやDPも掲載していきたい。
児玉:
DPは載せて良いのか?
山本:
良いだろう。情報はどんどんと出していくべき。ただ、まだDPとブックレットの性質の違いを理解できていない。
佐藤:
DPは学術論文になる前のものを書き、学術誌を最終目的にするようなもの。ブックレットは、研究者よりも一般を対象にしたようなもの。
杉本:
前回、DPとして出すと既発表になってしまうのではないかという指摘がなされた。
佐藤:
本来的な意味としては、DPは皆さんに意見をもらって、議論を重ねていくための叩き台である。ブックレットは、外部に対して研究内容や成果を宣伝するためのもので、最終的に本にするための前段階的な作業である。
山本:
DPはどれ位作るのか?
佐藤:
DPは表紙を2000部作成してある。1回あたり100部作るので、No.20までの準備はしてある。
山本:
どんどんと出していくべき。
杉本:
それらのHPへの掲載に関しては、最終的には各先生方に判断していただく。
佐藤:
資料3「Reading List for Basic Understanding of Peacebuilding and Development」は若手研究会が作ってくれた資料で、先述の平和構築の授業で配って、学生に読ませるものである。もしコメントがあれば言ってほしい。この研究会の成果を、授業の資料として使えるようにしていきたい。
佐藤:
資料4の研究分担を決めないといけない。
私は平和構築の総論部分とスリランカの事例研究について書く。具体的な成果としては、本日配布したDPのNo.1を作成した。方向性としては、平和構築や人間の安全保障というコンセプトの研究は、実務的なものに影響するものでなければ意味がないということで書いた。また、研究及び協力手法としては、やはりNGOなどとのフィードバックや連携を構想していると書いた。スリランカに関しては、まずブックレットを作成する。完成した段階で皆さんに回すので、その中でそれぞれの学問領域に合わせて課題を設け、研究を深めてもらう。それを共同研究という形にまとめて、来年あたりのシンポジウムに繋げていきたい。
山本さんからは「人道支援と平和構築」という研究課題をもらっている。具体的な成果については聞いていないが、今の段階ではどういう形で成果を発表しようと考えているのか?
山本:
来年4月にNHKブックスから「戦争と人道支援」という書籍を出す予定で、現在原稿を書いている。それとオーバーラップする。
この研究会の義務になっているものは何か?
佐藤:
とりあえずDPとブックレット。中西さんは学術論文として出すらしいので、その後に成果として出してもらう。
児玉:
書籍を出すならば、端書にでも書いてもらえるとありがたい。
佐藤:
それだけでも成果になる。
山本:
出張報告はダラダラと書くよりも、内容を紹介するDPのようなものの方が良いと考えている。テーマはセキュリティの問題。12月頃に出せそう。
佐藤:
ではDPにする。11月の公開研究会で、井上さんがセキュリティの話をする予定である。児玉先生は「国際NGOと紛争予防」と「東ティモールの現状」が課題。
児玉:
具体的な成果としては、東ティモールに関してはブックレットにまとめたい。今年度中くらい。
佐藤:
新垣さんはハーバード大学におけるプログラムに関わってもらっている。今後も共同研究を推進する。大坪さんは経済の課題を出しているが、具体的な成果は検討中。
大平さんは?
大平:
課題が「1.ボスニア・ヘルツェゴビナにおける日本の平和構築支援のその後」と「2.UNDPにおける紛争分析手法の開発に関して」の2つある。1番は定形さんと譲り合った形になっていて、難しいかもしれない。
2番がメインになる。イギリスの手法を取り入れているらしい。機関によってどう違うのか、世銀のものとも比較してみたいと考えている。担当官にインタビューも行う。成果が書いてあるが、これは個人の研究費で書いたものなので、研究会には別のものをDPとして出したい。
佐藤:
DPを利用して中間報告にしたいと考えている。また書籍に出来るものならまとめていきたい。では今年中にDPを1本。
定形さんは今日は集中講義で欠席。二村さんは3月までにDPを1本出してもらう。コロンビアに出張したので報告ももらいたい。
櫻井:
私は中国東北地方の移民としての朝鮮族ついて、色々な視点から検討する。紛争と直接関係している訳ではないが、東北アジアの安全保障とは関係がある。
児玉:
台湾問題については扱うのか?
櫻井:
政治的な問題は専門ではない。
山本:
書籍が出るようだが、書名は?
櫻井:
「東北アジア朝鮮民族の多角的研究」。
山本:
慣習法については記載されているのか?
櫻井:
それは出てこない。一番やりたいことが一番進んでいない。ようやく資料が出始めた。
中国の辺境については、新疆とモンゴルと朝鮮の研究をした。後はチベットが残っている。原稿にするのは難しいが、時間があればやれるかもしれない。
現在取り組んでいるのは、3番の「文化遺産とその平和的利用」。立命のCOEとも関連して行っている。平和構築と文化遺産の保存・平和的活用について何か書ければ良いと考えている。
佐藤:
今年度中に、DP的なものを1つ出してもらえるとありがたい。叩き台程度のもので良い。中間報告などにする際には、改めて検討してもらえれば良い。
中間報告は義務ではないが、作るべきだと考えている。
大平:
DPの書式は決まっているのか?
佐藤:
原稿を出してくれれば、山本哲史さんが整えてくれる。
今、ヤン・オーベールグさんに名古屋大学に来てもらっている。スウェーデンの平和研究のシンクタンクの方で、ガルトゥングさんの弟子である。12月19日まで客員でいて、ワークショップもしてもらう。研究会にも参加してもらえるかもしれない。
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